一般財団法人ロングステイ財団『ロングステイ希望国・地域2019』によると、マレーシアは14年連続ロングステイ先第一位として日本人から不動の人気を誇っています。
また、近年では「わが子に外国語を習得させたい」という願いを持った親が母子留学先としてマレーシアを選択する、というケースも増えてきました。
今回は、マレーシアで妊娠・出産から子育てを経験した(現在絶賛子育て進行中です)私が、マレーシアで子育てしていて良かったと感じることについてシェアしたいと思います。
ただし、当記事の筆者は子育て評論家でも専門家でもありません。
それぞれの家庭でそれぞれの教育方針や考え方があると思うので、当記事があくまでも「こういう考えもあるんだ」というひとつの事例としてお読みいただけましたら幸いです。
私は現在マレーシアの幼稚園に通う未就学児(日本では義務教育である小学校の就学年齢に満たない児童のこと)を育てています。海外での子育てに対し求める点や親の観点などは、お子様の年齢によっても異なる場合がありますのでご理解ください。
マレーシアで子育てすると良いこと、とは?
私がマレーシアで子育てしていてよかった、と感じることは主に以下の点です。
- 多言語習得に良い環境ということ
- 子どもの個性を伸ばして視野を広く持つのに良い環境ということ
- 親が肩の力を抜いて子育てできる環境ということ
では、今から一つずつ詳しく見ていきましょう。
多言語習得に良い環境
マレーシアの公用語は「マレー語」と言われています。
しかし、マレーシアは多民族国家という特異な国であるが故にそこで話される言語も実にさまざまです。
例えば、英語、中国語、タミル語…
中国語の中でも普通話と呼ばれるマンダリンだけでなく、人によっては広東語、福建語、客家語など、方言を含めるとマレーシアではたくさんの言語が飛び交っています。
そのため、マレーシアで生活していると自然といろいろな言語に触れる機会が多くなるという、日本とは異なる環境下に置かれます。
ここで注意ですが、もちろん多言語が飛び交うマレーシアで生活することと多言語が習得できるようになるということはイコールではありません。
もしそうなら私も今頃いろんな言語がペラペラになってるだろうな…(遠い目
ここでは何が言いたいかというと、マレーシアのように多言語が飛び交う国では容易にさまざまな言語に触れる「機会がある」ということです。
とりあえず外に出て周りを見渡しただけでも、マレー語、英語、中国語などで書かれた看板を目にすることができますし、ラジオやテレビをつければ様々な言語のチャンネルも放送されています。
例えば、現在わが子が通うマレーシアの幼稚園では、主に英語が話されますが中国語の授業そしてマレー語の授業もあります。(もちろん読み/書きも教えています)
一般的に日本で生まれ育った私たちは日本語以外の言語に触れる機会が少なく、日本では見るものや聞くもののほとんどが全て日本語です。
学校で習う英語は試験で良い点数を取るためのもので、実用性がなく不十分であることは皆さんも身をもって実感されているのではないでしょうか。
そのため、「わが子に外国語を習得させたい」という願いを持った親が母子留学先としてマレーシアを選択するのも納得することができます。(もちろん料金的な要因など、それ以外の理由もあるとは思いますが)
子どもの個性を伸ばして視野を広く持つのに良い環境
先ほど、「マレーシアは多民族国家と呼ばれる特異な国」であるということについて触れました。
マレーシアは多民族国家であるがゆえにそこで暮らしている民族もさまざまです。
マレーシアでは主に、マレー系、中華系、インド系と呼ばれる民族の人たちが暮らしています。
そのため、カレンダーを見てみると一年を通じてさまざまなお祭りや祝日が存在しています。
ニューイヤーは一年に4回もあるんです!
例えば、マレーシアで生活していると文化の異なるイベントや行事に参加する機会も増えますし、異なる宗教を持つ人に接する機会も増えます。
わが子が通う幼稚園にも、異なる民族、異なる宗教のお友達が同じ教室で授業を受けています。
日本で生活していると、異なる民族の人と一緒に生活する場面はとても少ないのではないでしょうか。
もしかしたら場所によっては外国人の人と接する機会すらほとんどない、という方も少なくないでしょう。
ところがマレーシアでは、自分とは異なる文化や風習を行う人たちを目にする機会がとても多くなります。
ただ、ここでも言いたいのは、異なる民族の人を目にする機会が多いということと多様性を認めることができるようになるということはイコールではない、という点です。
それでも兎角「みんなと同じでなければいけない」という無言の圧を感じがちな日本に比べると、異なる文化や風習を持つ人が周りにいる、というマレーシアのような環境にいるおかげで、ある程度は柔軟さが培われるのでは、と感じています。
日本では「みんな一緒」が小さい頃から植え込まれているような気がするんです…(そう感じるのは私だけ?)
先にも述べた通り、異なる民族の人を目にする機会が多いということと多様性を認めることができるようになるということはイコールではありませんが、そのような機会があるからこそ自分とは違う他の人を知ろうとする第一歩につながるのではないかと考えています。
また、「みんなと同じじゃなきゃダメ」「みんなと違ってるとなんか変」という教育が日本ほど強くないので、親も子どもも「みんながこうだから」という心配を過度にすることがありません。(もちろん集団生活を乱すような行動はしませんよ)
そういう意味では子どもも親も伸び伸びとできるので、マレーシアでの子育ての良い点だと感じています。
親が肩の力を抜いて子育てできる
マレーシアで子育てすることのメリットは、そこで育つ子どもたちにとって良いこと、という観点だけでなくそこで子育てをする親にもメリットがあると感じています。
これはマレーシアに限ったことではないかもしれませんが、まず日本語が飛び交っていないので耳が余計な話を拾わなくて済みます。
仮に英語や中国語を理解できて他の人の話している会話が横で理解できるとしても、母国語(日本語)ではないのでそこまでダイレクトにストレスを感じたり心に突き刺さってきたりすることは少ないはずです。(個人差があるかもしれませんが)
また、マレーシア人は子ども好きな方が多く、小さな子どもを連れていると温かく接してもらえたり席を譲ってもらったりと、私自身とても親切にしてもらった経験が何度もあります。
子どもを連れてイベント会場に行くと「子ども連れてるから優先で入っていいよ!」とかも何度もありました
私の感じたことですが、日本では子どもが何か粗相をしないかずっと見ていなければいけない圧がものすごくて、とにかく周りに迷惑をかけまいと気を遣う場面がとても多くて気疲れしてしまうことがとても多かったです。
もちろんマレーシアで生活しているからといって、子どもを監督する責任を放棄してよい、と言っているわけではありません。ただ、日本にいる時ほど周りの目も気になりませんし周りも他人の子どもにそこまでめくじら立てたりしません(笑)
基本的には「子どもってこんなものだよね」「元気が良いのが子どもだよね」と、温かく見守ってもらえます。(と私は感じています)
そして、マレーシアの家(コンドミニアム)は日本に比べるととても広く開放的です。
小さなこどもが家の中でおもちゃの車を走らせたり遊具で遊ぶことができる十分なスペースがあり、天井が高いので、家の中にいても窮屈さを感じにくいのが特徴です。
そして、コンドミニアムにはプールや公園などの設備が備わっているので、住まいの敷地内で子どもを遊ばせることもできます。(設備はコンドミニアムによって多少異なります)
加えて、一年中常夏なマレーシアの気候も、伸び伸びと子育てを行う上でとても良い環境だと感じています。
例えば、日本には四季があるので特に秋〜冬にかけては陽が短くなりますよね。
子どもを外で遊ばせることができる時間も限られていますし、冬の間は子どもができる遊びやお出かけできる場所も限られているのではないでしょうか。
ところが、マレーシアは年間を通じて夏のような気候なので、陽が長く、暖かな気候の下で生活することができます。
日本では冬の間は曇り空が多く気分がどんよりしてしまうような天気の日が続きますが、マレーシアでは一年中お日様を浴びながら過ごすことができるというところも、とても良いと感じている点です。
まとめ
ということで、いかがでしたか。
今回は、マレーシアで子育てすると良いことについていくつかの点をシェアしました。
もちろん日本で子育てすると良い点、マレーシアで子育てすると良い点、どちらにもメリット・デメリットがあり、自分が何を求めるか/どこに重きを置くか等で変わってくると思うので、一概に「◯◯で子育てした方がいい!」と決めつけることはできません。
また、人によって感じ方はさまざまなので、私が「良い点」として感じた点が他の方にとっては「悪い点/それほど重要じゃない」と感じる場合も大いにあります。
あくまでも当記事は一つの感想として受け止めていただけたら幸いです。
この記事が、今後マレーシア移住する方やマレーシアで子育てすることに興味のある方の参考になればうれしく思います。